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あしたば通信 2月26日

ピートのスケートレース
ピートのスケートレース

ルイーズ・ボーデン 作 ニキ・ダリー 絵  福音館

お話の舞台は第二次世界大戦下のオランダです。
オランダの町は冬になると水路や運河が凍り人々はスケートを楽しみます。
主人公のビート・ヤンセンは10歳、家業はスケート作り。
戦争が始まってお父さんは兵隊にとられ、
町がドイツ軍に占領されてからはスケートを作る仕事もなくなります。
材料が入ってこないからです。
ビートはスケートが大好きな少年で、ビム・ムリエイルを尊敬しています。
ビルはフリースラント州の11の町の200キロにわたる運河や水路の上を12時間55分で滑った人です。
以来これは有名な「エルフステーデントホト」レースとしてフリースラント州で開かれるようになりました。
ビートは早くこのレースに出られるようにスケートに夢中になっていました。
友人のお父さんがドイツ軍に連行されます。
身に危険のせまる9歳のヨハンナと7歳のヨープをおばさんの所へ連れて行ってほしいと頼まれたビート。
ドイツ軍に見つからないようにスケートで運河を進みます。
戦争という状況の中、3人の子どもの冒険と簡単に言うことはできません。
「ビート、おまえは強くて立派なスケーターだ。
機転もきく。おまえにならこの重大な仕事をまかされる。
こんなこと、うまくいくと信じていなかったらたのむものか」と言うのはおじいさんです。
孫を信じて隣人の危機に手を貸すというところが素晴らしいと思います。


きょうはみんなでクマがりだ
きょうはみんなでクマがりだ

マイケル・ローゼン 再話   ヘレン・オクセンバリー 絵  評論社

赤ちゃんを肩車したおとうさんのまわりに子どもが3人、
散歩にでも行くような格好ですが実はクマ狩りに行くらしいのです。
みんなで草原を駆け下り、川を横切り、泥道を渡り、森の中に入ります。
いつまで行ってもテンションが下がることなく
「つかまえるのはでかいやつ。こわくなんかあるものか」と話は進みます。
そしてなんと吹雪にあいます。(女の子は半そでのワンピースを着ているのに!)
吹雪の中を進んで行くと洞窟が・・・そこには熊がいました。
連れてきたペットの犬と鉢合わせ。
熊狩りだ!と勇んで来たみんなはいちもくさんに逃げ帰ります。
さて追いかける熊との競走はどうなったでしょうか。
この本は立体絵本でも作られています。見比べるのもおもしろい。
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あしたば通信 2月19日

富士山うたごよみ
富士山うたごよみ

俵 万智 短歌・文   U・G・サトー 絵  福音館

絵本の絵の表現にはいろいろあります。
色鉛筆ですばらしい世界を見せてくれるどいかやさん、
力強い絵の具の表現から最近は植物の種を並べたりしてみせる田島征三さん、
双子の兄弟で版画「じごくのそうべい」を出した田島征彦さん、
そのほかにも写真や、コラージュの表現などあります。
絵本はやはり絵の部分が主役だと思います。

この「富士山うたごよみ」は圧倒的な存在感で富士山が登場するのですが、
俵万智さんの短歌に添った富士山の姿が、見る人の目をあっと言わせてしまいます。
驚くべしグラフィックデザイナーのU・G・サトー氏。
また色がとても美しく「日本写真印刷」の仕事が丁寧です。
俵万智さんの短歌は1987年「サラダ記念日」がベストセラーになり
『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』の短歌は有名になりました。
この歌のページの富士山はレースのテーブルクロスがかけられ頂上にサラダを含めた朝食がのせてあります。
それだけでは普通だとサトーさんは思ったはず。
赤い帽子とスプーン、フォークが描かれ富士山が女性に見えてきます。
短歌に添った富士山がユーモアとセンスで楽しませてくれます。
P34の富士山は夕焼けの表現にとうがらしが空を飛び、
そして富士山の色がグラディーションになっているのが本当に素晴らしいです。

じっくりお楽しみください。

あしたば通信 2月12日

みんなのかお
みんなのかお

さとうあきら 写真   とだきょうこ 文  福音館

動物園で動物の顔をじっと見たことがありますか。
何となく動物の顔はみんな同じと思っていませんでしたか?
私もこの本を見るまではそう思っていました。
この本を作ったお二人は、日本の動物園を300ヶ所見て回ったそうです。
たとえば初めに登場するゴリラ。
年齢も様々なのでしょうけれど目つきの悪いゴリラ、
人間の顔そっくりなゴリラ、威風堂々としたゴリラと顔が違うことがわかります。
ラクダは目と鼻の位置が平行しているので、穏やかな優しい顔です。
旭山動物園のラクダは寒い冬をどう過ごしているのでしょうか。
カワウソの顔は愛らしくやんちゃな顔ですし、カンガルーはまつ毛が長い。
私が一番好きなキツネは、ここに来るに至った人生を想像してしまいます。
動物は時々動物園どうしで貸し借りしていると書いてあります。
動物にもたくさんの巡り合いがあるのかもしれません。
作者のお二人は300もの動物園を見て回ったそうですが、
いま日本では300もないかもしれませんね。
この本は1994年発行の本です。
いつまでも大切にしていきたい1冊です。


精霊の守り人
精霊の守り人

上橋菜穂子 作   仁木真希子 絵   偕成社

作者は最初この「精霊の守り人」1冊だけのつもりだったそうですが、
人気が後押ししてついに7巻10冊の大作となった本です。
主人公は何と30歳の女用心棒バルサ。
自分自身も過酷な運命に翻弄された子ども時代を送ったせいか、
弱いものをみると損得を考えず手を差し伸べてしまうところがあります。
主人公はもう1人いて新ヨゴ皇国の皇太子チャグム。
その周りに薬草師タンダ、呪術師トロガイ、星読博士シュガがいて
様々な事件に巻き込まれていきます。
バルサが6歳の時ある陰謀のため故郷から連れて逃げてくれた男ジグロとのつらい思い出が全巻を通じ出てきますが、自分ではどうしようもない運命をチャグムはじめとする人たちとの出会いの中で折り合いをつけていくバルサの心の変化が読み手の心に響きます。
また特徴的なのがこの世界とは違うもう1つの世界ナユーグ。
このナユーグの存在が横糸となってこの壮大な物語を澄み切った空のような布に織り上げています。お薦めです。

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Author:緑区子どもサポートセンター
あしたば文庫は千葉市緑区で開いている文庫です。
このブログでは絵本の紹介を毎週していきます。

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